今日は
4月から通う大学院でガイダンスがあったり
旅行中のカードの請求がきたりと
なにかと心の痛む日であった
そこで
厳しい現実に傷つけられた精神を修復するべく
楽しかった旅行中の出来事を思い出して
自らを夢世界へと誘うことにした
一緒にトリップしてしまいたくない方は
すみやかにこのページを閉じられたい
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旅行中私はモテた
男だけでなく女にもモテた
子どもから老人にまでモテた
全人類にモテた
声がかけやすそうだとか
ひっかかりやすそうだとか
裏にどんな事情が潜んでいるのかは知らないが
すれ違いざまに
「君は美しいね」
なんて言われることは
そうあることではない
私は確かにモテていた
数あるエピソードの中でもとくに気に入りなのは
Victoria駅構内の小さなスーパーでの出来事
ここがその伝説の駅
夜のミュージカル前に腹ごしらえ
昼食べ過ぎたので
あまり空腹でないしサンドイッチは嫌
さっぱりした野菜ものを求めてさまよっていたところ
駅構内にMarks&Spencerを発見
近くにテーブルもあったのでここで夕食を調達することに決める
ここが評判のビリー・エリオットの劇場
なかなか食べたいと思うサラダがなく
帰宅するビジネスマンたちでにぎわう店内を行ったり来たり
ようやく決めた品物を手に長い列に加わる
これが噂の品物たち
列もだいぶ進んで先頭に近づいた頃
(このスーパーはとても狭かったので1列にならんでいた)
一番手前のレジの青年が
まぶしすぎるスマイルをこちらへしきりに向けてくる
商品をスキャンする手元はほとんど見ていない
「列に常連さんでもならんでいるのかしら」
列の先頭に来る
浅黒い肌を持つその青年のスマイルは私に向けて放たれていた
もはや自分の目の前にいる客は全く見ておらず
早くその客を済ませようとしているのがはっきりと伝わるほど
適当すぎるサービスを提供していた
「自分のレジに私を呼ぶために急いでいるのかしら」
「次の方」
空いたのはその青年から一番離れたレジ
商品が薄黄緑のビニールに詰められる
「4ポンド15ペンスになります」
財布をひらいて小銭をみる
すくい上げた硬貨を渡そうと顔をあげる
「やあ
きみのためにやって来たよ」
「げんきかい?」
大きく見開かれた目と
きれいに並んだ歯は
青年の肌によく映えていた
とてもうれしそう
「4ポンド20ペンス!」
とにかくうれしそう
「5ペンスのおつりとレシートね」
身を乗り出して
「I LOVE YOU!」
手を振り別れる
さらば青年
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これがロンドンにいた7日間のある日の出来事
日本には20年間もいるのにこんなこと未だない
私の魅力が分からないのか?
この国どうかしてるぜ

